この記事は以前に公開した記事の再編集版です。
購入と紹介
こんにちは、のもあです。
先日BOSSのハーフラックマルチエフェクターSE-50を購入しました。
SE-50は90年代のラックマルチで、マイケルランドウやスコットヘンダーソンが愛用していたSE-70の廉価版に当たります。
2023/09/16追記
SE-70はSE-50の後継機にあたるようです。SE-50は1990年9月〜1993年3月の販売(生産?)になったのに対し、SE-70は1993年4月から販売されたようです。
SE-70はSE-50の3倍の処理能力を持ち、3倍の処理能力に見合ったクオリティのリバーブを搭載するという意気込みで開発されたとのことです。
SE-70については、フカジさんの記事をご覧ください。発売当時のインタビューなども含めて詳しく紹介されています。↓
基本的に内臓のアルゴリズムを一つ選択しそれを使用できるというもので、今どきのマルチみたいに複数のアルゴリズムを自由に組み合わせて……ということはできません。ただし、ギターマルチやキーボードマルチのようなアルゴリズムを選択すれば、その中で決められた複数のエフェクトを掛けることもできます。また、ディレイとリバーヴ、とかコーラスとリバーヴ、みたいな組み合わせも予め用意されているアルゴリズムを選択することで使用可能です。
とはいえ、これ一台で音作りを全て賄うというのは厳しく、ギターマルチなんかで使えるひずみも「ただの古いマルチの音」でしかないので実用は厳しいでしょう。
このような機材が本領を発揮するのは、ディレイやリバーヴ、モジュレーション、ピッチ系の単体利用でしょう。
例えばディレイでは、複数のディレイラインを生かしたマルチディレイやマルチタップディレイ、ピンポンディレイなど当時はやりだったサウンドを使うこともできますし、リバーヴも今の感覚からするとチープな印象の愛おしいリバーヴ群、そしてて極め付けはリバースゲートの設定もできるゲートリバーヴ。最高です。
コーラスは割となんの変哲もないコーラスで、個人的には好きなんですけど、これが他で出せない音かと言われるとちょっと……。ただLFOを三角波にできるのはちょっと好きでこれは結構使うと思います。
次に期待していたのはピッチシフトです。ピッチシフト系のシフト系のプラグインと言っても二種収録されていて。僕の場合基本はどちらも似たような使い方をします。これらのピッチ系は基本的にディレイ音の周波数を上下させられるというもの、ここで。左右それぞれ±10セントしたものを原音とミックスします。このエフェクトは「Detune」と呼ばれますね。コーラスのような、しかしよりあっさりした使い方ができます。ここからさらにコーラスを重ねでかければかっこいいです。
あとのモジュレーション系、フェイザー、フランジャーなどは設定を詰めればかなり使えそうですが、昔のデジタルっぽさは否めません。
電源アダプタ製作
ところでこのエフェクターを使用するに当たって、少し困難がありました。
第一の困難 電源がない。このことは電源なしと記載されていたため承知の上購入したので想定の範囲内である。
このSE-50の電源はAC-AC(AC-DCじゃないですよ)電源があまり現代で流通していないタイプであると言うこと。
というわけで、本家のものを探そうとすると高くつきますので、社外品でスペックのAC-AC12Vアダプタを購入しました。
そのままではAC-ACアダプターのサイズが合わないので、マルツで買ってきた下のプラグに交換します。
ACなので極性は考慮しなくても大丈夫です。切った配線をそれぞれ端子にはんだ付けするだけです。
この自作電源で問題なく動作しました。他のBOSSラックシリーズも同じやり方で動作するはずです。
電池交換編
このSE-50、メルカリで「動作問題なし」で買ったのにもかかわらず、プリセット名の表示がメチャクチャな文字の羅列のようにおかしく(はじめはただ、前の持ち主のプリセットの作り方がメチャクチャだったでけかと思いました。)しかし、自分で作ったプリセットで上書きしても次回起動時には消え、初期化しても電源を入れ直すとメチャクチャな文字列が表示されるだけでした。
こうなると考えられる原因はメモリー用の電池です。昔のエフェクターとか電子機器は、電源を落とした状態で設定を保存するために電池が使われていました。この電池切れはあるあるですね。ただ表示がバグるというのは知りませんでしたが。
このSE-50なんですが、前期型と後期型があり前期型は筐体を開けるだけで電池にアクセスできますが後期型は基板二枚構成で上の基板の内側に電池ホルダーがマウントされています。
さて、僕が購入したSE-50は前期型でしたので前期型の電池交換方法を解説していきます。
まず、電池にアクセスするためにはまず両側面のネジを各2本づつ外し、
背面は上部2本とMIDI端子のところにあるネジを3本外します。
そうすると1枚目の基板が出てきます(1枚目の基板の画像を紛失してしまったのでまた分解してそのうち載せます泣)
上の基板は赤丸で囲ったようなネジ3本で固定されているのでネジを外します。
上下の基板はこんな感じのコネクターで接続されているので外します。下は外した様子です。
上側の基板を裏返すと電池がマウントされている部分にアクセスできます。
ホルダー式になっていてはずし方がいまいちわからなかったので、マイナスドライバーで押し出して外し、交換しました。
これと逆の手順で戻していって完成です。基板をコネクターに差して戻すのが少し難しいですが、先にMIDIのコネクタを差し込むようにすると戻しやすいかもしれません。
無事に使いたいプリセットも保存できました。
今後はラックを持ち込める現場なんかには持っていきたいですね、いつになるかわかりませんが……。
色々あり、現在はライブに持ち込んでいます。
ではまた~。