こんばんは、カリカヌル女子子のギタリストののもあです。

そもそもMIDIスルーボックスとは

突然ですがみなさんはMIDIスルーボックスをご存じでしょうか、というかそもそもMIDIって何?という方も多いかもしれません。
Musical Instrument Digital Interfaceの頭文字を取ったもので、電子楽器とかコンピューターの間で様々な情報をやりとりするための規格です。要は電子楽器とかコンピューター同士が会話するときに話す言葉のようなものです。また、この機材同士の通信も規格化されています。なんとなく楽器用がいろいろなデータを送るためのUSBとかHDIMIみたいな感じのもの、とイメージしてください。

ギターの場合、音声信号がアナログで接続されているのと別に、デジタル機材は専用の言語で専用のケーブルを使って色々な操作ができます。
たとえば、ギターの機材でよくあるのは、PC(プログラムチェンジ)といってデジタル機材にプリセット(保存したセッティングとか)を呼び出すために使う信号です。


しかし、このMIDIの通信にはですがちょっとした欠点があって、複数の機器を接続する場合は機器①→機器②→機器③といった感じで数珠繋ぎにしてやる必要があります。

しかも、ことのとき機器の間では伝言ゲーム的なことが行われていて、たくさんの機器をつなぐと正しく情報が伝わらないことがあります。

MIDIの規格書にも次のように書いてあります。

MIDI1.0規格書 p. 2-1

要は「たくさん直列に繋ぐとうまくいかないことがあるよ」ということです。

これを防ぐには直列ではなく並列に繋いでやる必要がありそのための機械がMIDIスルーボックスと呼ばれるヤツです。

正直あんまり必要性を感じなかったのですが、最近自分の環境でエラーに遭遇してしまいました。
しかし、市販品をを買うと安いもの6000円以上するので作っちゃおう。というわけです。

回路図

公式の規格書と使用したフォトカプラのデータシート、そして海外サイトを参考にして設計しました。

以下は捕捉&注意事項

  • 自分のエフェクターボードでは、通常のMIDIケーブルの5pin din端子だと取り回しが悪いのでTRS(ステレオとかで使う)端子に変換して使っています。通常の5pin dinで使う場合はtipを5番ピン、ringを4番ピンに読み替えてください。規格書によるとTRSのスリーブとdinの2番ピンは繋がなくてもよいみたいですが、ノイズ対策のために必要があればコンデンサを介してグランドに接続するとのことです。
  • 自分は3出力必要なので、3out+LEDで制作しましたが正直LEDは要らなかったかな……。と思います。もう1端子余っていますのでLEDを潰せば5outで使えます。
  • 電源の部分(TA78L周辺)の回路はちょっと不完全です。以下のSumire Design Studioさんの動画などを参考にしてもう少しちゃんと作ったほうがよいと思います。特に逆電圧保護用のダイオードは入れたほうがよいと思います。
  • 今回はフォトカプラにハードオフで手に入れたジャンク品から取り外したNJL5127Dを使用しましたが多分これは今手に入らないので、別のフォトカプラを選ぶ必要が出てくると思います。たぶんNJL5127Dは他のフォトカプラとピン配置が異なるので注意してください。そして、R2の270Ωは、データシートに掲載されている回路の値を参考に決定しましたがここの値は使用するフォトカプラによって異なりますので、データシートに載っているサンプル回路の値を使えば多分動くと思います。
  • 理屈はわかっていない部分も多々ありますがわかる範囲で答えるので、コメントなりTwitterなりで質問してください。

レイアウト

以下が今回使用したレイアウトになります。

多分回路図のところで説明した通りです。何も繋がっていない8番のピンに220Ωの抵抗を介して出力に繋げばoutputを一個増やせます。

制作

それで実際に作った基板がこちらです。

ミスした部分はアドリブで修正しているのでレイアウト図と若干異なっています。
実際に組み立てて動作確認をする様子

完成したものは、ジャンクションボックスの上にスタックしました。

din端子の左側のネジ穴を大きいサイズで開けてしまい、留まっていませんが案外安定しているのでよしとします。

まとめ

動作確認してみたところ、各output特に問題なく出力できました。
LEDは地味だったので正直要らなかった気がします。

エフェクターを自作するより簡単に作れるので、MIDI機器を使うみなさんは作ってみてはどうでしょうか、気が向いたら色々追記します。
ではまた~~~。

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